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大企業におけるDX組織およびAI・DX人材の内製化を支援する「DIGITAL BOOST」とは


“自走するDX組織”の実現に向け、人材育成・獲得、制度設計、カルチャー醸成を一貫して支援



DX組織およびAI・DX人材の内製化が求められる背景

近年、企業経営においてAI活用やデジタル化はもはや選択ではなく必須となっています。DX(デジタルトランスフォーメーション)の波はあらゆる業界に押し寄せており、業務の効率化はもちろんのこと、商品開発やマーケティング、顧客対応など、企業活動のあらゆる領域において、テクノロジーの活用が競争力を左右する時代です。


特に事業モデルの変革は競争優位性の源泉として明確に位置づけられており、急速に変化する外部環境の中で自社が競争優位性を維持し続けるためには、今までのように外部に頼った構築ではなく、自社で迅速に意思決定し、システム開発を行い、プロダクトを改善し続ける「アジャイル型アプローチ」を回し続けることが必要です。


しかし、日本企業においてはAI・DX人材を確保できないことが、DX推進の最大のボトルネックになっています。背景には、外部パートナーへの過度な依存、これまで中途採用に力を入れてこなかったこと、既存の人事制度や文化がAI・DX人材を受け入れる土壌になっていないことなどが挙げられます。


こうした課題を解消するため、「DIGITAL BOOST」はAI・DX人材の内製化と自走型組織の構築を包括的に支援する新サービスとして誕生しました。人材戦略だけでなく、組織カルチャーや制度設計を同時に進める新たなアプローチです。



日本企業におけるDX組織のトレンド

なお、近年の日本企業では、DX推進に向けて「自社でデジタル組織をどう位置づけるか」という観点から、多様な内製化パターンが実践されています。大きく分けると以下の4つの型が存在します。


特区組織型(一国二制度) 新会社を立ち上げず、本体の制度を柔軟に運用することでDX人材の採用を加速する方法です。例えば、東急グループにおけるURBAN HACKSは既存組織の枠組みを活かしつつ、独自の人事制度や働き方を導入することで、従来の制約を乗り越えている好事例です。

JV型

パートナー企業と共同で合弁会社を設立し、双方の人材・ノウハウを融合させながら変革を推進するアプローチです。資生堂やユニクロでは、外部知見を取り込みながら新たな価値創出を進めています。


100%子会社型

完全子会社としてデジタル組織を独立設立し、専用の人事制度や評価体系を整備するパターンです。ニトリは自社主導でDX子会社を設立し、採用力の強化とスピード感ある開発体制を実現しています。


M&A型

外部のデジタル系企業をM&Aによって取り込み、その人材や技術をグループに組み込むパターンです。リクルートはこの手法により、自社のケイパビリティを短期間で拡張してきました。


これらの事例は、日本企業が従来型の組織や人事制度の限界を打破し、DX推進に必要な人材・組織をいかに自前化しているかを示しています。一方で、どのパターンにも固有の課題や限界があり、制度・文化・人材戦略を包括的に設計することの重要性が浮き彫りになっています。



大企業におけるDX内製化に向けた課題

企業がAI・DX人材を自社内に内製化しようとする際には、前述の通り、いくつかの深刻な課題に直面します。単に人材を採用するだけでは、内製化の本質は実現できません。以下では、現場で頻繁に見られる代表的な4つの課題を整理し、それぞれの背景と影響を掘り下げます。


① 外部委託依存がもたらす構造的な限界

外部パートナーへの委託は、短期的にはスピード感と即戦力をもたらします。しかしそれを続ける限り、社内にノウハウが蓄積されず、依存構造から抜け出せないというジレンマを抱えます。特にAIやデータ分析のように、組織特有の業務知識や現場感覚が必要な領域では、外部メンバーの理解不足が成果物の質や実用性に影響を及ぼします。


また、委託先に合わせた仕様変更や調整が発生するため、プロジェクトの意思決定スピードが低下し、ビジネス上の機会損失を招くケースも少なくありません。加えて、委託費用は中長期的には膨らみ続け、ROIの面でも負担となります。結果として、企業は外部依存を続けながらも本質的な競争力を強化できない状況に陥ります。持続可能で競争力のあるデジタル組織を育てるには、自社の中に人材と知見を内製化する必要があるのです。


② AI・DX人材の採用市場の競争激化と採用ノウハウの不足

AI・DX人材の採用市場は年々激化しており、年収水準の上昇に加え、求職者は「ワクワクできる仕事内容」「成長機会」「柔軟な働き方」「フラットな組織文化」など、企業の魅力も重視します。こうした人材から「選ばれる」ためには、外向けのブランド力と、実際の働きやすさの双方が欠かせません。これまでIT人材の採用実績が少ない企業は、そうした人材からそもそも「選択肢」として見られていないことも多く、求人を出しても応募が集まらないといった課題が生じてしまいます。


また、DX人材の採用には通常の採用活動とは異なるノウハウが必要です。求人票の内容、採用メッセージの設計、スカウトメールの文章、面接官の選定・トレーニングなど、すべてにおいて「IT・デジタル領域に特化した発想」が求められます。多くの企業ではその経験がなく、過去のやり方を踏襲することで失敗してしまう例が後を絶ちません。採用チャネルや選考体験の設計から見直すことが不可欠です。


③ AI・DX人材既存人事制度とのミスマッチ

せっかく優秀な人材を採用できたとしても、既存の人事制度が足かせとなり、早期離職につながるケースが多くあります。デジタル人材は成果やスキルに応じた評価を求める傾向が強く、固定的な年功序列や横並び型の報酬制度はモチベーションを削ぐ要因となります。特にジョブ型雇用やプロジェクトベースの評価に慣れた人材にとって、硬直的な制度はキャリアの成長機会を奪うものとして映ります。


また、制度面のギャップは採用活動にも影響します。候補者は面接や説明会で評価制度や報酬体系の詳細を確認するため、そこで柔軟性や市場水準との乖離が露呈すると、入社意欲を大きく下げてしまいます。逆に、市場水準に合わせた柔軟な報酬設計や、成果を正しく評価する仕組みを整えれば、採用競争力と定着率の両方を高めることができるのです。


④ 組織カルチャー・働く環境のミスマッチ

AIやデジタル領域では、試行錯誤や失敗を前提としたスピード感ある取り組みが不可欠です。しかし従来型の企業文化では、リスクを避ける慎重さやトップダウン型の意思決定が強く、挑戦を阻む空気が生まれがちです。


さらに、部門間の壁や情報共有の不足、現場裁量の少なさなどが、デジタル人材にとってストレスとなります。逆に、オープンなコミュニケーション、失敗を許容する姿勢、現場からの提案を歓迎する仕組みを持つ企業では、新しい技術や発想が生まれやすくなります。文化と環境の整備は、人材の採用・定着だけでなく、事業成果のスピードや質を左右する重要な基盤です。



DX内製化とAI・DX人材獲得に向けたアプローチ Beyondgeとギックスの強みによる課題解決


このような複雑で多面的な課題を前に、ギックスとBeyondgeが提供する「DIGITAL BOOST」は、包括的かつ実践的な支援によって企業の内製化を実現するソリューションです。


ギックスは、データインフォームド経営の知見を有し、アナリティクスの活用による業務改革や人材育成に多くの実績を持ちます。これまでに多数の大企業において、データサイエンティスト育成や制度設計、文化醸成を支援してきた経験を活かしたアプローチが可能です。


Beyondgeはスタートアップ支援から大企業の成長支援までを手掛けており、新会社の設立、採用戦略、ブランディング、制度設計、RPO(採用代行)、コーポレート機能のSSC(シェアードサービス代行)を一貫して支援できるノウハウを有しています。


この2社の連携により、以下のようなトータル支援が実現します。



Step1. DX内製化に向けた方針策定とギャップ分析

まず、経営戦略と整合性のある人材戦略とロードマップ策定が重要です。企業のDX戦略に基づき、今後3〜5年でどのようなDX人材が、どの量で必要になるのかを定義し、現状と比較してギャップを認識します。これにより、必要な採用・育成施策を設計します。


Step2. DX組織設計とブランド再構築

多くの大企業では、デジタル子会社の設立特区組織の設置によって制度や文化の実装体を分離し、柔軟な運用を可能にしています。この組織設計はブランディングにもつながり、AI・DX人材からの魅力度を高めます。


Step3. 人事制度・カルチャー設計

AI・DX人材が活躍できるよう、評価制度、報酬体系、職能定義を新たに構築します。年功型制度とは異なる、転職者が違和感なく移れる制度設計と市場水準に合わせた報酬設計を行うことが、人材の定着・活躍の基盤となります。


Step4. 採用ブランディングと実務支援

採用成功の鍵は、ターゲット人材の明確化(ペルソナ設計)と採用メッセージの抽出です。企業の強みや魅力に基づいて、どういう人材に響くブランドを構築するか設計します。そのうえで、求人票作成や採用チャネル設計、スカウト活動、採用広報、カジュアル面談や面接設計、ATS導入、面接官トレーニングなど採用業務全体を支援します。


Step5. DX人材の育成・リスキリング支援

内製化は採用だけでは不十分です。オンボーディングから中長期にわたるスキル習得プログラムの設計と実行が必要です。ギックスのデータインフォームド経営の知見とBeyondgeの組織・採用構築力を組み合わせ、育成と文化形成を統合的に支援します。


一貫したPMOによるプロジェクト推進管理

またこれらのステップを一貫して推進するために、フェーズ横断型のPMO体制を構築し、構想策定から組織設計、制度設計、採用、定着までをプロジェクト運営します。各分科会(構想/人事/採用/ブランディング)を連携し、課題と進捗を管理して進めることで、実行フェーズでの迷走を防ぎます。



大手交通インフラ企業によるAI・DX人材内製化の実践事例

【背景】 なぜ「内製化」が必要だったのか?

この大手交通インフラ企業では、数年前から社内のデジタル活用に取り組んできました。たとえば、業務の効率化やマーケティングの高度化に向けて、データの利活用を進めるプロジェクトを立ち上げたり、現場部門でのITスキル向上に取り組んだりと、内製化に向けた動きは始まっていました。

しかし、全社的なDX(デジタルトランスフォーメーション)を推進するには、これまでの取り組みだけでは不十分であることが明らかになりました。社内の人材だけではスキルや人数が足りず、成長スピードが追いつかない。かといって、外部の人材に頼るだけではコストがかさみ、ノウハウも蓄積されないという問題に直面していました。

さらに、既存の人事制度では、IT・デジタル分野の即戦力人材を外部から採用するのが難しく、採用しても定着しにくいという構造的な課題を抱えていました。こうした背景のもと、より抜本的な改革が求められたのです。


【解決策】 DIGITAL BOOSTによる包括的な支援

この企業が選んだのが、「DIGITAL BOOST」による包括的な支援でした。単なる教育プログラムや採用代行ではなく、構想の策定から人材の採用・育成、組織設計や制度構築までを一体で支援する、いわば“社内にデジタル組織をつくる”ための伴走支援です。


① 構想策定と制度の見直し

まず最初に行ったのが、社内に必要な人材像を明確にする作業でした。「今後のDX戦略を進めるには、どんなスキルを持った人材が、どれだけ必要か?」という視点で、3年後を見据えた人材ポートフォリオを設計しました。

これに基づいて、「外部から採用すべき人材」と「社内で育成すべき人材」を整理し、それぞれに必要な報酬や制度、評価軸などを定義。ジョブ型評価やフラットな組織運営が可能になるよう、従来の年功序列型の人事制度からの脱却を図ることになりました。


② 組織作りとガバナンス設計

新たな人材を迎え入れ、活躍してもらうためには、柔軟でスピード感のある組織体制が必要です。そこで、デジタル人材の受け皿となる新会社の設計を行い、権限・役割の明確化、意思決定のスピード向上を目指しました。

新会社の今後の方向性に加えて、採用したいAI・DX人材のペルソナに合わせて、会社名、ミッション、ビジョン、バリューを定義することで、既存の人材も新たに採用する人材にとっても働きやすい会社を具体化していきます。


③ 採用活動とブランディング支援

次に取り組んだのが、DX人材の採用です。まず、どんな人材に来てほしいのかを明確にするため、ペルソナを定義しました。たとえば「社会にインパクトを与える仕事をしたい」「データを活用して現場を変えたい」「裁量を持って働きたい」といった志向を持つ人をターゲットに設定しました。

そのうえで、こうした人材が魅力を感じるような採用メッセージや求人票を作成。企業のブランディング動画やSNSでの広報、スカウトメールの文面づくり、カジュアル面談の導入など、あらゆる接点で一貫したメッセージを発信しました。

また、採用管理システム(ATS)の導入や、面接官トレーニングなど、採用活動全体の運用体制も整えました。採用プロセス自体を“候補者目線”で設計し、選考中の体験をよりスムーズで魅力的なものにすることで、転職意欲の高い人材を確実に獲得できる仕組みを構築しました。


④ 入社後の育成と定着支援

採用した人材が現場で活躍し、長く定着してくれるためには、入社後の支援が欠かせません。DIGITAL BOOSTでは、オンボーディングプログラムの設計支援から、中長期のスキル育成・キャリア設計までをカバーしました。

また、現場リーダーや既存社員に対しても、デジタル人材との協働の仕方、プロジェクト推進時のコミュニケーションの取り方などをレクチャー。組織全体として「デジタル人材を活かす文化」を根づかせるための支援が続けられました。


【成果】 2年間で100名超の採用と組織自走化の実現

この支援によって、わずか2年間で100名以上のDX人材を採用・配置することに成功。採用だけでなく、制度やカルチャーの整備、育成プログラムの設計がセットで行われたため、新たに採用した人材が社内で活躍し、結果を出すまでのスピードも早まりました。


特に注目すべき成果は以下のとおりです:


  • 従来では不可能だった外部人材の採用が可能に

  • 評価制度の刷新により、定着率が向上

  • 社内のデジタル活用プロジェクト数が倍増

  • 既存社員との協働によるイノベーションが加速


また、外部パートナーへの委託に頼らず、社内でデジタル施策を企画・実行する「自走するデジタル組織」が形成されつつあり、今後は他部門への展開やさらなるスキルアップ支援も検討されています。



最後に 「DIGITAL BOOST」の強み

この事例が示しているのは、AI・DX人材の内製化は「人材採用」だけでは成り立たないということです。制度、組織、カルチャー、育成、このすべてが揃って初めて、DX内製力は企業の中に根づきます。


DIGITAL BOOSTは、そのすべてを一貫して支援するサービスです。構想から実行、採用から文化形成までを一気通貫で設計・運用するこのアプローチは、単なる研修やアウトソーシングとは一線を画しています。この大手交通インフラ企業のように、抜本的な組織改革と人材戦略を両輪で進めたい企業にとって、DIGITAL BOOSTは極めて実践的で、成果に直結するパートナーとなり得るのです。


DX組織およびAI・DX人材の内製化に興味のある方はご連絡ください。



<参考>

Beyondgeの採用支援サービスはこちら



Beyondgeの採用支援サービス公式noteはこちら



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