連続M&Aを成長ドライバーに変えるプログラマティックM&Aコンサルティング支援

プログラマティックM&Aを成長ドライバーに変える
企業経営を取り巻く環境は急速に変化すると共に複雑さを増しています。業界構造の絶え間ない変化、日進月歩のテクノロジーの進化、慢性的な人材不足、そしてボーダーレス化が進むグローバル競争。こうした厳しい環境の中で、多くの企業において、自社のオーガニック成長だけでは市場優位性を維持することが難しくなっています。このような背景から、単なるコスト削減や既存事業の深耕ではなく、新たな成長エンジンとしてM&A(企業の合併・買収)に改めて注目が集まっています。そんな中、M&Aを成長ドライバーとして活かしている企業は「連続的」かつ「戦略的」にM&Aを活用するアプローチである「プログラマティックM&A」を活用することで急速な成長を実現しています。
プログラマティックM&A、単発M&Aから連続M&Aへの進化
これまでM&Aは、「ここぞ」という勝負所で実行するもの。企業にとっての大博打のようなイメージを持たれることが多々ありました。しかし、この「一発勝負型」のアプローチには大きなリスクが伴います。失敗すれば企業経営に甚大な影響を及ぼしかねず、慎重になり過ぎるあまり絶好の成長機会を逃してしまうケースも少なくありません。一方でM&Aをうまく活用して成長している企業では、小規模なM&Aを連続的に実行することでM&Aの実行・統合に関する組織的な学習効果・ラーニングカーブを活かし、リスクを分散しながら継続的な成長を実現しています。
プログラマティックM&Aとは、M&Aを単なる一度きりのイベントとしてではなく、企業の戦略的成長ドライバーとして組み込むアプローチと言えます。また、プログラマティックM&Aを実現できている企業は、積極的な情報発信を通じて有望な案件が持ち込まれる状態をつくり、その中から良質なM&A案件を選んでM&Aを実行することで成功率を上げています。
プログラマティックM&Aによって急成長を実現している企業(例示)
日本国内でのプログラマティックM&Aを有効に活用することで成長を加速している企業が多く生まれています。
ケース①:株式会社SHIFT
SHIFTは2016年以降の数年間に30件以上のM&Aを実施し、時価総額は30倍以上にまで成長させています。ソフトウェアテスト事業を核としつつ、周辺領域の企業を次々に買収することで、垂直統合による事業領域拡張と水平統合による市場シェア拡大を同時に実現しています。さらに、M&A専任組織を設置し、案件選定からPMI(買収後統合)までの一連のプロセスを徹底的に標準化・型化しています。買収先企業の自主性を尊重しつつグループ全体のバリューアップを着実に進めるスタイルが定着しています。
ケース②:株式会社GENDA
2018年に創業したGENDAはわずか5年で上場を果たし、エンターテイメント施設を中心に30件以上のM&Aを実行してきました。その結果、現在では時価総額は2,000億円を突破しています(2025年1月時点)。単なる買収による店舗数の拡大だけではなく、地域ごとの特性を活かした運営、スケールメリットを活かしたオペレーションの効率化、さらに業界内で先駆けたDX(デジタルトランスフォーメーション)施策により革新的な事業成長を実現しています。
ケース③:株式会社リクルートホールディングス
リクルートは2000年代後半以降、M&Aを中心とする成長戦略を本格化しました。特に海外展開においては、マイノリティ出資で日本式経営手法が通用するかを慎重に検証し、成功を確認した後に本格買収に進む「2段階アプローチ」を採用しています。結果、Indeed社買収など大型案件にも成功し、海外売上比率を50%以上に押し上げると共に、企業全体の売上規模も飛躍的に拡大させることに成功しています。
連続M&Aを成長ドライバーに変える伴走型コンサルティング支援
連続M&Aを実現するためには、単なる案件探しや一時的な実行支援にとどまらず、組織の根幹にM&Aのケイパビリティとカルチャーを根付かせることが不可欠です。そのために、「①有望案件が持ち込まれる仕組み作り」、「②3か月ディール」、「③リーンなPMI」、「④成功事例の発信によるブランディング」というサイクルを高速に回すと共に、それを実行できる「⑤M&A力を高める体制」を整備、内製化することが重要です。

① 有望案件が持ち込まれる仕組み作り
連続M&Aを成功させるためには、自社が求めるM&A案件が数多く持ち込まれる仕組みを作ることが重要です。明確な戦略と方針を策定した上で社内外に発信していくことで、M&A仲介、金融機関、士業ネットワークから有望案件が持ち込まれる状況を作っていきます。買収したい企業の業種、売上規模・人数規模、買収予 算に加え、M&Aした場合に貢献可能なポイントを資料化することで、どういった案件を望むのかを明確に伝えていきます。さらに集まった案件を効率よく見極めるため、初期段階でのスクリーニング体制を構築することで有望な案件が持ち込まれる仕組みづくりを進めていきます。
特に有力な案件が持ち込まれない大企業は、他社で売れなかった”有望でない”案件が持ち込まれているケースが多く、買収に当たって注意が必要です。
②3か月ディール
有望な案件はあっという間にM&Aが決まっていきます。大企業の冗長な意思決定プロセスを待ってくれません。M&Aを実行する場合の定量的な指標と定性的な要素の両面から基準を明確に設定します。さらに、経営陣、M&A推進部門、事業部門が一体となって意思決定する体制・プロセスを構築することが重要になります。1か月以内にLOIを出すべきか判断し、2か月以内でデューデリジェンス(DD)を完了させるスピード感が必要になります。
ディールに時間がかかる企業に は有望なM&A案件が持ち込まれなくなるため、連続M&Aを成長ドライバーにするためにはスピーディな意思決定は必須となります。
③ リーンなPMI
連続M&Aを実現するためには「リーンなPMI」も重要なポイントになります。デューデリジェンス(DD)段階から統合後のPMI(Post Merger Integration)を見越した計画を立案し、スムーズな統合を実現します。弊社では、事業が回っている会社で短期間でPMIが完了することを買収条件とすべきと考えています。あわせて、PMIを推進できる人材の確保・育成に注力するとともに、外部の専門人材も有効に活用し必要なリソースを確保します。
連続M&Aを実施すると言ってもPMI可能な数しかM&Aを成功させることはできません。PMIを推進できる人材を確保・育成すると共に、短期間でPMIを実現し次に買収した企業のPMIにつなげていく仕組みが必須となります。
④ 成功事例の発信によるブランディング
あなたの知っているM&Aを活用して成長している企業を思い浮かべてください。その企業はどういった会社を買収したいか簡単に調べることができます。連続M&Aを成功させるためには、M&Aの成功事例を積極的に対外発信し、M&Aにおけるブランド力を高め、市場での信頼と認知を強化することも重要になってきます。あわせて、社内に向けてもM&Aの成果を可視化し、社員の理解と共感を醸成することで組織全体のM&A推進力を高めます。こうした取り組みにより、良質な新規案件を引き寄せる「成長の循環」を形成し、持続的な成長を実現することができるのです。
⑤M&A力を高める体制
弊社のプログラマティックM&Aを実現する伴走型コンサルティングサービスでは、貴社のM&A力を高めることに寄与します。連続M&Aを実現するためにはM&Aケイパビリティの内製化が必須となります。M&A専任チームを組成するとともに、専門人材の継続的な育成に取り組み、組織としてのM&A力を強化します。あわせて、M&Aに関するナレッジを体系的に整理・蓄積し、社内で広く共有することで、全社的な知見の底上げを図ります。
Beyondgeは、これらすべてのサイクルを支援領域とし、単なるディール実行にとどまらない中長期視点の伴走支援を行います。ソーシング、デューデリジェンス、PMIまでを一貫して支援し、さらにクライアント社内にM&A推進体制を根付かせるまでをミッションとしています。
Beyondgeによる支援事例
当社では複数の大企業においてプログラマティックM&Aを実現する伴走支援を行っています。連続M&Aを実現するための道のりは簡単ではないですが、伴走型の支援を行うことで着実にM&A力を高めていくことが可能です。
上場会社A社:受け身型から、利益重視の主体的M&Aへ
A社は日本において圧倒的なシェアを誇る大企業ですが、M&Aに関しては過去の経験が乏しく、持ち込まれた案件や赤字企業の救済といった「受け身」の取り組みが中心でした。現場でもM&Aやファイナンスの専門知識が不足しており、各自が「なんとなく買いたい」と希望を述べるだけで、組織としての一貫した戦略性に欠けていました。
当社の支援によって事業領域ごとのM&A戦略・方針を整理し、案件パイプラインを可視化し、事業部を横断した組織的な取り組みへと変革することができました。また戦略を策定する中で他社事例のインプットを重ねることで社内ケイパビリティを底上げすると共に、M&Aに関する共通言語・共通理解が社内に根付き始めています。さらに、「業績・収益の良い案件に適正価格で投資する」という基本方針を提案し高値づかみのリスクを回避しています。
上場会社B社:理想偏重型から、市場に即した実行型M&Aへ
B社ではコンサルティング会社を活用してM&A戦略策定とショートリスト作成をしていました。しかし、教科書的な戦略で、マーケット実態に沿わない理想的なターゲット企業ばかりをリストアップし、売却意向がない企業に個別アプローチを繰り返す非効率な進め方で、時間ばかりが過ぎていました。また、M&A推進部署と事業部の連携が不十分で、案件が進まずに終わるケースも多く見られました。
当社が持つM&A仲介や金融機関、ファンド等とのネットワークを活用して市場に出ている実案件を中心に把握し、現実に即したアプローチへとシフト。さらに、事業部を巻き込んだ推進体制の整備にも着手し、社内連携を強化する改革を進めています。
上場ベンチャーC社:M&A業界での無名企業から、買収実績を誇る存在へ
C社は成長スピードの速いベンチャー企業ですが、上場して 間もない企業のために、まだ知名度が低く、良質なM&A案件にアクセスできないという課題を抱えていました。また、意思決定は迅速ながら、投資可能な資金には制約があり、M&A戦略の推進には限界がありました。
当社がソーシングやソーシングチャネル構築から支援した結果、C社は短期間で買収実績を作ることができました。また買収した実績を積極的に開示することで、「実際に買収を実行する会社」として市場に認知されるようになり、仲介会社や金融機関からの案件紹介が急増。さらに、他社と共同でファンドを組成し、外部資金を獲得することで、M&Aによる成長を加速させる新たな取り組みも検討がスタートしています。
Beyondgeが選ばれる理由─独自のポジショニングと圧倒的な実行力
当社は、「コンサルティングファーム」「FAS(ファイナンシャルアドバイザリー)」「M&A仲介」といういずれの既存プレイヤーにも属さない、独自の立ち位置を確立しています 。戦略立案だけでも、単なる案件紹介だけでもない──戦略策定からソーシング、案件実行、そして統合まで一貫して支援することで、企業価値向上に直結するM&Aを実現します。
当社には、事業会社や個人でのM&A実務経験者、スタートアップ創業者・投資家、コンサルタントなど、幅広い実務経験と専門性を持つプロフェッショナル人材が在籍しています。それぞれが「机上の空論ではない」実践知を持ち寄り、企業ごとの状況に応じた現実的かつ実行可能な支援を提供します。さらに、当社ではスタートアップM&Aを強みとするM&Aキャピタルラボ社を2024年11月に買収しており、クライアントが買収したい企業へのアプローチ・紹介するケイパビリティを強化しており、さらに実行力を強めています。
当社は、ロールアップM&Aで業界再編を目指す企業、M&Aを通じて新規事業立ち上げや第二創業を志す企業から、すでに数多くのご相談をいただいています。成長戦略にお悩みの企業様にとって、最も実行力のあるパートナーとなることを目指しています。
M&Aキャピタルラボ社買収のリリース: https://www.beyondge.com/news/macapitallab
M&Aキャピタルラボ社:https://ma-capitallabo.com/